小説もお笑いも映画も6つの「感情体験の型」から作られている
僕は、ライティングのテクニックというものを日々勉強しています。
文章の書き方や、キャッチコピー、記事の構成や、画像編集などなど。
たくさんの要素があり、勉強の幅は無限大です。
[chat face=”zuma.jpg” name=”ZUMA” align=”right” border=”blue” bg=”none”]読んでもらうために結局何が大事なんだろう??[/chat]
と、考えていたのですが、ある日ダウンタウンの松ちゃんの一言でその答えに辿りつきました。(M-1で言ってたやつかな??)
いきなり「なんでやねん!」って言っても面白くないのに、最後に言ったら面白くなるから漫才って不思議ですよね
なんかこの言葉、ズキューンと胸を打たれたのです。
確かにそう、その通りなのです。
シンプルな言葉なのにヘヴィな意味。さすが松ちゃんです。
この言葉を初めて聞いた日からいろんなことを考えるようになりました。
人が感動する過程とはどういうものなのだろうか??
音楽でもイントロ→Aメロ→Bメロ→サビと来てオー!!っとなったり。
ハリーポッターでもキャッチーな出来事から→トラブル→解決、というような何かしらの型があるんです。
この感情の動きのこそ、人を感動させる(行動させる)条件なのでは!?と思い立ちました。
そんなことを思い、調べ始めたところ感動したツイートがこれ!
先ほどの感情グラフのようなものを、脚本のブラッシュアップと同時に何稿も重ねて行ったのでした。 pic.twitter.com/mGrZR8MA2o
— 新海誠 (@shinkaimakoto) 2017年4月24日
超名作、映画『君の名は。』の監督・新海誠さんのツイートです。
僕は映画の作り方など全く知らなかったのですが、脚本を作る段階でこんな風に感情の動きをグラフ化しているんです。
(監督たちは感情グラフと呼んでいるらしい)
見ているお客さんが、どういう心境になるかを徹底的に考えながら作品を作る。
これは、音楽、お笑い、映画、小説、そしてブログや、そのほか物を売る仕事でもなんでも共通したことだと思います。
この感情グラフを意識することで、より良い作品ができるんじゃないか!?と思い、独自に色々調べてみました。
今回は、日経サイエンス2017年6月号に掲載された「計算科学で読む文学」を参考に6つの感情グラフを説明します。
1Pしかないコーナーですが、めちゃくちゃ興味深い内容でした!!
[chat face=”06320a33a277781dcc1973ff63ce6b58.gif” name=”サル” align=”left” border=”gray” bg=”gray”] それでは、感情グラフいってみよう!![/chat]
6つの感情グラフ
感情グラフは、X軸が時間の経過、Y軸が幸福度を表しています。
幸福度は中心の灰色線が0の状態、それより上は快楽(嬉しい、楽しい)、下は苦痛(悲しい、辛い)を表しています。
立身出世型
悪いところからスタートしてハッピーエンドに向かうというオーソドックスな型です。
水戸黄門などもこれに当てはまるような気がしてます。
この方はオーソドックスすぎて逆に使いづらいです。現代人は感覚が成熟していて刺激が足りないのです。
苦境脱出型
一度苦痛に落ちるが、最後にはハッピーエンドで終わるパターン。
映画などでも多いですが、実は体験型ブログはこれが多い。
[chat face=”zuma.jpg” name=”ZUMA” align=”right” border=”blue” bg=”none”]進研ゼミの漫画もコレっぽいですね。[/chat]
シンデレラ型
言わずと知れたシンデレラ!いじめられるところからスタートして、魔法で綺麗なドレスをゲット!
でも12時で魔法が切れて王子様と離れ離れに・・・でも最後はくっつく!みたいなパターンです。
そこで「今買わないと割引なくなって損しますよ」のように不安を煽って一旦苦痛に落とします。
その上で、「でも、今買えば+1個ついてきて送料無料!」という感じで一気に快楽に持ち上げてあげるのです。
悲劇型
むちゃくちゃ後味の悪い救いようのない映画みたことありますか?
最後にはヒーローが主人公を助けてくれるんだろうな・・・と思ったら主人公が死ぬ!!など。
「信じる者は救われる」という心の逆を突いてくる手法です。
ちょいネタバレですが、映画ミストはまさに悲劇型の典型・・・。ぜひ見てくださいね。
イカロス型
イカロスとはギリシャ神話の登場人物の名前です。
父親と共に迷宮に閉じ込められたイカロスは、人口の翼をつくりそれを体にろうで貼り付け脱出します。
しかし、父親からの忠告を忘れ太陽に近づきすぎたため、ろうが溶けて翼がとれます。そのまま海に落ちて溺れ死ぬという話です。一見ハッピーエンドかと思いきや、最後のどんでん返しがくる手法です。
エディプス型
エディプスは「オイディプース」とも呼ばれ、こちらもギリシャ神話の登場人物です。
エディプル型は苦境脱出型の進化系です。苦境脱出型はハッピーエンドなのに対し、こちらはバッドエンドです。
とてつもなく重い気持ちにさせられます。ドキュメンタリーなどはこのような構成にすると、最後に視聴者にテーマについて考えさせるということができます。
まとめ
以上、6つの型を紹介させていただきました。
改めて、日経サイエンス2017年6月号 計算科学で読む文学からの引用ということをご紹介させていただきます。
人の感情を揺れ動かすというのはとても魅力的ですよね。
この感情グラフを知ると、ダウンタウンの松ちゃんが発言していたことも少し理解できる気がします。
この型を意識して、ドラマ、映画、小説、ブログ、お笑いなど見てみると全く違う視点で楽しめますよ!